糖尿病と歯周病について

糖尿病治療の成功を握る「お口のケア」

~なぜ糖尿病を患う方に定期的な歯科受診が不可欠なのか?~

「内科で血糖値のコントロールを頑張っているから、歯医者は痛くなってからで大丈夫」

もしそのようにお考えの方がいらっしゃいましたら、それは非常に危険な誤解かもしれません。

近年、医療の世界では「糖尿病の治療を成功させるには、歯科での歯周病治療が絶対に欠かせない」という事実が常識となっています。歯周病は、網膜症や腎症などに並ぶ「糖尿病の第6の合併症」と位置づけられているのです。

なぜ、一見関係のなさそうな「血糖値」と「歯ぐきの病気」がこれほど深く結びついているのでしょうか。

そのメカニズムと定期受診の重要性を詳しく解説します。

  • 免疫力の低下
  • お口の乾き
  • 細菌の繁殖
  • 歯周病リスク約2倍以上
  • 歯周ポケットでの炎症
  • 毒素が血液へ
  • インスリンの働きを邪魔
  • 血糖値が下がりにくい

歯科医院での歯周病治療で、血糖値が改善!

  • 全身の炎症物質減少
  • インスリン正常化
  • 血糖値(HbA1c)の数値が約0.5%前後改善
  • 内科で血糖降下薬を1種類追加するのと同等、またはそれ以上の効果!
  1. 1. お互いを悪化させ合う、恐怖の「負のスパイラル」

    糖尿病と歯周病は、片方が悪化するともう片方も引きずられて悪化するという、非常に厄介な相互関係を持っています。

    1. ❶【糖尿病 ➡ 歯周病】なぜ糖尿病になると歯周病になりやすい?

      高血糖状態が続くと、全身の血管がダメージを受け、体の「免疫力(細菌と戦う力)」が低下します。これにより、お口の中の歯周病菌に対する抵抗力が弱まります。さらに、糖尿病の症状として唾液の分泌量が減るため、お口の中が乾きやすくなり、細菌が爆発的に繁殖しやすい環境が整ってしまうのです。

      その結果、糖尿病の方は健康な方に比べて、歯周病にかかるリスクが約2倍以上、さらに重症化しやすいことが分かっています。

    2. ❷【歯周病 ➡ 糖尿病】なぜ歯の汚れが血糖値を上げてしまう?

      ここが最も恐ろしいポイントです。歯周病が進行すると、歯ぐきの溝(歯周ポケット)の中で大量の細菌が炎症を起こします。この炎症によって作られた「毒素(炎症性物質)」は、歯ぐきの毛細血管から血液に乗って全身へと巡っていきます。

      この物質が、全身の細胞で「インスリン(血糖値を下げるホルモン)」の働きを邪魔(インスリン抵抗性を誘発)してしまうのです。つまり、お口の中に慢性的な炎症(歯周病)があるだけで、内科での食事療法や薬物療法の効果が出にくくなり、血糖値が下がりにくくなってしまいます。

  2. 2. 【医学的エビデンス】歯周病を治療すると、血糖値(HbA1c)が改善する!

    この「負のスパイラル」は、逆を言えば「お口の環境をきれいに整えれば、糖尿病の数値も良くなる」ということを意味しています。数多くの研究データにより、歯科医院で専門的な歯周病治療(徹底的な歯石除去やクリーニング)を行い、お口の中の炎症を鎮めると、全身を巡る炎症物質が減少し、インスリンが正常に働き始めることが証明されています。

    その結果、内科の治療内容を変えなくても、血糖値の指標である「HbA1c」の数値が約0.5%前後も改善するケースが珍しくありません。これは、内科で処方される血糖降下薬を1種類追加するのと同等、あるいはそれ以上の効果に匹敵します。

    歯医者に通って歯をきれいにすることは、単に虫歯を予防するだけでなく、「全身の病気を治すための医療行為」なのです。

  3. 4. 地域の医療機関と手を取り合う「久原歯科の医科歯科連携」

    兵庫県尼崎市の久原歯科では、患者様の安全と全身の健康を守るため、近隣の内科クリニック様と緊密な「医科歯科連携」を行っています。

    患者様のお口の状態や歯周病治療の経過を内科の主治医の先生へ「診療情報提供書(紹介状)」にて共有し、お互いにアプローチを重ねることで、二人三脚で血糖値のコントロールをサポートできる体制を整えています。

    内科の先生から「一度、歯医者さんでお口を診てもらってください」と言われた方はもちろん、「そういえば最近、歯医者にしばらく行っていないな」という糖尿病治療中の方も、ぜひお気軽に当院へご相談ください。

    あなたの大切な体を守るために、私たちにお口のケアからお手伝いをさせてください。